Miwako's EYE
海の向こうのアメリカではコロナがなかなか収まらず大変ですが、そんな中大統領選の動きが活発化しています。何とかトランプ大統領の悪政を正常に戻そうと民主党が一致団結し今日Joe Biden 氏が正式に民主党の代表に任命されました。前民主党の大統領Obama氏のファーストレディのMichelle Obama氏はその人柄から世界的に大変ポピュラーでしたが、当時の副大統領の妻Jill Biden 氏のことはあまり語られることはありませんでした。
Jillは博士号を持ち、セカンドレディであった8年間も含め実はずっと大学で英語を教えている教師です。走ることも日課にしていて心がけていることは、「走っているときはネガティブなことは一切考えない」ということだそうです。その他軍人のファミリーを支援する活動をしたり、童話の本を出版したりといろんなことをしている方ですが、一貫しているのは周りの人への気配りと思いやり、そして自分の信念ややりたいことはブレずにしっかり全うするという理想的な人間像を持った人です。
今日民主党大会の中で彼女のスピーチを初めて聞くことができました。素晴らしいスピーチで多くの人が感動したことと思います。もちろん私も!その一部の抜粋です。
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We found that love holds a family together. Love makes us flexible and resilient. It allows us to become more than ourselves, together. And though it can’t protect us from the sorrows of life, it gives us refuge, a home. How do you make a broken family whole? The same way you make a nation whole, with love and understanding, and with small acts of kindness, with bravery, with unwavering faith. You show up for each other in big ways and small ones, again and again. It’s what so many of you are doing right now for your loved ones, for complete strangers, for your communities.
愛は家族を団結させる。愛は我々をしなやかにし,回復力をつける。愛があるとき人がつながると自分以上の私にしてくれる。人生の悲しみからは守ってはくれないかもしれないけれど、愛は避難するところ、つまり心の拠り所を与えてくれる。
どうやったら壊れた家族をまたひとつにできるでしょうか?国家を一つにするのと同じです。愛と理解を持ってやるのです。そして小さな親切と大胆さ、さらに揺るぎない信念を持って。大事なことにも些細なことにも、お互いのために会いに行くのです。何度も何度も。みなさんの多くが愛する人たちのために、全くの他人に、そしてコミュニティのためにたった今その行動を取っています。
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『人生は変わっていくもの:何歳になっても変化をものともしない自分になろう』(私が勝手につけた邦題です)
著者であるブルース・ファイラーはもともと元気印だった父親が年老いてパーキンソン病にかかりなんども自殺を図ったり、自身がガンにかかったりと大変な人生を送っています。1年かけてアメリカ50州を周り様々な人の大変な人生経験を聞き、そこからパターンを特定し人生で大きな変化が起こった時にどうやってそれを乗り越えるかのヒントを探りました。
人生のひとつのフェーズから次のフェーズへと移る過渡期(transition) が以前にも増して増えており、その過渡期を乗り切るスキルを早急にマスターすることが我々みんなにとって必要だとファイラーは言っています。仕事がひとつだけ、恋愛相手もひとりだけ、幸せの根源がひとつだけというのはもう救いようがないほどに時代遅れ。
Life Is in the Transitions に書かれていることは、「人生の途はまっすぐではなく、様々な出来事がその進行の邪魔をする。そのうち10個のうちのひとつはファイラーが言う「ライフクエイクー人生震(地震のことを英語ではearthquake アースクエイクー地面が揺れる、という)」となる。人生が大きく揺れる、つまり、今の人生から次の人生へと移らざるを得ない大変革的なことが起こる。この過渡期というのは平均して5年に1度ぐらい起きる。結果、我々は人生の半分をこの落ち着かない状態(過渡期ーtransition)で過ごすことになる。あなた、もしくはあなたの知り合いの誰かが今過渡期にいるだろう。」
ファイラーが見つけたパワフルなスキルとは、感情に素直に向き合い、古い自分の価値観を捨て、いろんな方法を試し、他の人に助けを求めることなどなど。また、家族で語り継がれている話も力をくれるものだと言っています。
英語で読める人は是非読んでみてください。日本語版が出るのが待ち遠しいですね。
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ある読解のクラスで出てきたこの言葉 ‘captainitis’。辞書にも載っていませんが、あえて訳すると「キャプテン病」、もしくは「キャップテン炎」。
-itis というのは接尾語で「炎」を意味し、通常は臓器などにおける炎症を表します。例えば、dermatitis は皮膚炎、gingivitis は歯肉炎、hepatitis は肝炎と言うように。
この読解はイギリスやオーストラリア留学に必要なIELTSテストのリーディングセクションの “The Psychology of Innovation” に出てきたものですが、
“The wrong kind of leadership will lead to what Cialdini calls ‘captainitis, the regrettable tendency of team members to opt out of team responsibilities that are properly theirs.’…”
間違ったリーダーシップはチャルディニが言う「キャプテン炎」になっていく。つまり、チーム全体の責任なのにチームのメンバーがそれを放棄する残念な傾向。
He calls it captainitis because, he says, ‘crew members of multipilot aircraft exhibit a sometimes deadly passivity when a flight captain makes a clearly wrong-headed decision.’
彼がそれをキャプテナイティスという理由は、「複数のパイロットがいる飛行機でキャプテンが明らかに間違った判断をした時に、クルーが時に致命的な消極性を見せるからだ」
チャルディニはこれは飛行機に限ったことではないと言っています。部活のキャプテンや監督の指示には嫌々従った人もたくさんいるでしょう。上司から言われたことで、「えっ!!??」と思ったけれど従わざるを得なかった場合もあるでしょう。ただ飛行機じゃなかったので死には至らなかったと思いますが。
現在のトランプ政権を見ていてこのキャプテン病のことを思います。彼と合わずに彼の元を去って行った人もたくさんいますし、彼に従う人もたくさんいます。彼の周りにはオポチュニストの人(日和見主義者ー自分の都合に合わせてつく側を変える)もたくさんいると思いますが、段々悲しくなるアメリカの現在の状況です。
リーダーの立場にいる人はキャプテン病にならない心がけが必要ですね。
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